昴通信

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ブックレビュー

• 『八月の光』
(著)ウィリアム・フォークナー
• 『敵』
(著)筒井康隆
• 『給水塔と亀』
(著)津村記久子
• 『さよなら渓谷』
(著)吉田修一
• 『荒野へ』
(著)ジョン・クラカワー
 /NOBO
• 『すべて真夜中の恋人たち』
(著)川上未映子
 /NOBO
• 『川は静かに流れ』
(著)ジョン・ハート
 /NOBO
• 『ラスト・チャイルド』
(著)ジョン・ハート
 /NOBO
• 『耳の物語』
(著)開高健
 /NOBO
• 『大いなる助走』
(著)筒井康隆
 /NOBO
• 『唐獅子株式会社』
(著)小林信彦
 /NOBO
• 『憂鬱たち』
(著)金原 ひとみ
 /NOBO
• 『蛍・納屋を焼く・その他の短編』
(著)村上春樹
 /ひよし
• 『破獄』
(著)吉村昭
 /ひよし
• 『ヘヴン』
(著)川上未映子
 /NOBO
• 『さまよう刃』
(著)東野圭吾
 /YUICHI
• 『さよなら、愛しい人』
(著)村上春樹訳
 /ななえ
• 『さらば愛しき女よ』
(著)レイモンド・チャンドラー
 /ひよし
• 『秘密』
(著)東野圭吾
 /YUICHI
• 『蛍』
(著)織田作之助
 /NOBO
• 『タタド』
(著)小池昌代
 /NOBO
• 『ことば汁』
(著)小池昌代
 /ななえ
• 『ポトスライムの舟』
(著)津村記久子
 /NOBO

ブログ

『あんな町、こんな国』恵美
『風に吹かれてお散歩』ふう
『そんなことよりおなかがすいたよ』せりか
『80歳からの手帳』久里
『ひとことブログ』ひよし

作品

• 「筆談ノート」
   槇野ひよし
• 「もう雪はいらない」
   成澤利律子
• 「根室の金毘羅祭り」
   波津俊昭
• 「胸」
   齋藤千賀子
• 「宝物」
   齋藤千賀子
• 「Nより」
   牧野ひよし
• 「久里先生」
   藤原けいこ
• 「キリギリスが鳴いた夏」
   神田寿美子
• 「文章サロンの四年間」
   神田寿美子
• 「Kuri's Letter ささめや ゆき さまへ」
   沓沢久里
• 「東日本大震災に思う」
   神田寿美子
• 「正月の固い決意」
   五月葉子
• 「ヘアスタイル」
   五月葉子
• 「私の札幌祭り」
   神田寿美子
• 「飯茶碗始末」
   さとう純子
• 「蝉に思う」
   川瀬潔
• 「ミモザの絵」
   神田寿美子
• 「皿」
   さとう純子
• 「開放感」
   牧野ひよし
• 「―何故書くのか、後編―」
    西沢洵子
• 「仕事ってどんなもの」
   小谷由美
• 「チェンジ」
   牧野ひよし
• 「呆けるのなら父さん流」
   神田寿美子
• 「マタニティヌード」
   舟崎恵美 
• 「生還者」
   舟崎恵美
• 「恋文」
   澤澄子 
• 「見えないトロフィー」
   牧野ひよし

ブログ

◇HidePark  文=恵美
『あんな町、こんな国』
2月23日、ロンドンのヒースロー空港に着いた私たち。
 ロンドンで住む家を決めるまで、クイーンズウェイにある日系不動産会社が持つサービスアパートメントに滞在した。
 幼稚園のお友達と初めての別れを経験した5歳の雄大、長いフライトの疲れと時差ボケ、おまけに連日の家さがし。ちょっと元気が無いみたい。地図を見ると近くにチューブ(地下鉄)の駅4つに跨る広大な公園ハイドパークがある。
 夫は仕事の引継ぎで出かけたので、雄大と一緒に行ってみよう!



 公園にはリスやハクチョウ、何ていう名前なのかな? 可愛い小鳥がいっぱい!
 この日から、毎朝ハイドパークにパンを持って出かけるのが日課になった。

 おまけに園内には、ゲートを通って入る子供の遊び場、プリンセスダイアナ記念公園があった。
 ブランコに滑り台、お決まりの遊具のみならず、大きな船があったり、テントや小屋があったり、音を出して楽しむ道があったり、なんとも楽しい場所。
 遊びに来ている親子も実に多民族。英語、イタリア語、フランス語、中国語、、、何種類もの言語が飛び交い、この国に来たばかりの私もすっぽり多民族の中に溶け込んで、不思議なほど違和感が無く、思った以上に居心地が良い。
 雄大にとってもお友達がどこの国の子なのかという考えは全く無い様子。

 子供は言語に頼らなくて良い世界に居るんだなぁ~。

 何となく、自然体の息子を見ていると、私も力を抜いてやっていこうと思えてきた。
 
◇初秋のひとりごと  文=ふう
『風に吹かれてお散歩』
酷暑の夏だった。暑さに弱過ぎる私は歩いていても息が上がって、
倒れ込みそうになった。いつまで続くのだ、この暑さはといまいましく
思ってもいたけど、やっぱり終わりはあるもので、ゲリラ雷雨が降る
たびに秋に近づいていく。
この夏は入院している父の病院通いで終わったな。
いやまだ続いているんだが。
病院から帰るバス停に立ちながら空を見上げた。
灰色の雲が東から西へゆっくり流れ、また雷雨かな、やばいと思う。
一羽の鳥が大きな羽を広げて悠悠と旋回していた。
いいなぁ~、鳥は自由に空を飛べて、今度生まれてくる時は鳥になろう。
でも鳥にとって空を飛ぶことは生きていくということで、天敵に襲われや
しないか、獲物も探さにゃならぬ、とそんなに自由なことではないのかも
知れない。でも、大空に溶け込むような宇宙に身を委ねるような至福の
瞬間だってあるだろう。
などと考えながらバス亭で空を見上げている私って、やばい精神状態かも。
ブログには楽しいことを書く!をモットーにしていたけど、こんな状態なので、
書くことが何もない!!(と言い切る)

父もこのブログを読んでいたのだけど、もうパソコンを開くことはないかも知れ
ないので父のことを書いてみようかな。書いても怒られないだろう。
今、88歳の父との会話は面白い。
私が自分の鼻を指さして「この人誰か解る?」と聞くと(もちろん冗談ですよ)
「解るさ。〇〇(私の名前)だ。当たったべ」と応えたので吹き出してしまった。
「生きているってそれほど楽しいことでもないね」と私が言うと、
「正直に言えば・・・か」と言った。
正直に言えば、という言い方が笑える。
今日は父の足の爪を切った。親指の爪が巻爪になっていて切りにくい。
は~~~~、私の足の親指のぶ厚い巻爪は遺伝だったのかぁ。
この年になって始めて気づいたよ。
そんなことが、今は大切でささやかな楽しいことなのかも知れないな。

◇合言葉はくそくらえ  文=せりか
『そんなことよりおなかがすいたよ』
何かを噛んでいる間は考え事がはかどる。
たとえば、もやしの豆の部分だとか。

アカデミー賞の監督賞にノミネートされずに作品賞を受賞した『アルゴ』、見てきました。
二時間近く、ずっとはらはらしていたのは久しぶり!
無事に外務官が脱出できるか、傍観者なりに不安で仕方がありませんでした。

たぶん、外務官の人にとっては、いつもよりちょっと激しい暴動ぐらいにしか思ってなかったのね。
「普段通り」があっという間に非日常に変わってしまうのだから、いつ何が起こるかわかりませんな。

スタッフロールで実際の写真と本編のカットが比較されるんだけど、瓜二つに似せてたの。
そこまでする必要あるのかってくらい似てて。
劇中で起こったデモだとか反米運動だとかその報復とか、まさにその当時あったことなのだと思うと、ため息が出てしまう。
暴徒化したイランのひとたちが大使館の中に入っていくシーン、人間というよりか蟻とかアメーバとか集団生物のように見えた。

おじいちゃんたちがすごくいいです。
特殊メイクの大御所と映画プロデューサーとメンデスの上司がすごくいいキャラしてるの。
プロデューサーはね、賞なんて取り飽きててペーパーウエイト代わりにトロフィーとか使っちゃうの。
メンデスの上司は、メンデスが作戦決行した後に奔走して、その姿がすっごくかっこいい。

メンデスさんはひたすら酒のんでた気がした。というか、酒とつながりがあるように書かれてるのかな。
それだけで彼がどっかうまくいってないんだなーってのがわかる。
絵コンテにもあるように、結局彼は息子とつながりたかったのかなーとか。

ちょこちょこ当時の映画小ネタが含まれてて、わかんない私は乗れなくてぐぬぬって取り残された感じを味わってたんだけど、アルゴの読み合わせ会のキャラクター、他SF作品からいっぱい引用してるよね。
とりあえず『フラッシュ・ゴードン』のミン皇帝(だっけ?)ぐらいしかわからなかったので誰か答え合わせしてくれるのを待ってます。

わたしは初めてあんなに蠍座が混んでるのを見ました。
札幌駅10周年だったから、なおのことかもしれないけど、アルゴ上映中は当分あんな感じなのかな。
アカデミー賞の主な受賞作品は、パイ以外見に行ったよ!いえい

◇「昴の会」と共に  文=久里
『80歳からの手帳』
遠い話だが「昴の会」が発足したのは昭和五十一年。

図書館の文学講座や道新の文学散歩などで気が合った本好き女性七人が始めた読書会だった。

北海道文学界の長老・更科源蔵先生の追っかけグループでもあった私たちに、 師は昴(イチャチャイ)と命名してくださった。

アイヌ民話に依る語で、 神様に七つの星にされてしまったやんちゃ娘のことだ。

スタートは読書。

北校国語教諭で小説家の川辺為三先生を講師にお願いして日本近代文学の名作を猛勉強した。

やがて先生のお勧めで創作の手ほどきを受けるまでに発展した。 読むのは愉しいが書くのはしんどい、さしものヤンチャ衆も怖じ気づいた。 が先生はこの上ない書かせ上手。

魔法にかかった皆は夢中になり、ガリ版の習作集が五冊になった。 創作活動が上げ潮に乗った頃、

朝日新聞北海道支社が百万円懸賞「朝日女性の小説」募集を報じた。 「好機到来、全員挑戦せよ」と先生の大号令が発せられた。 皆が必死に書いた。

奇蹟の成果が生じた。

なんと私の「鶴の泪」が入賞。

佳作にも会員二名が選ばれたのだ。 女性向けの画期的な地方文学賞での最初の入選は話題を呼んだ。 原稿・講演の依頼、新聞社からの取材、

テレビ・ラジオ出演等に私は目を回し、

専業主婦の日常は一変した。

「活字にならなければ書いたことにならない」という川辺先生の持論が身に沁みた。

ドラマチックに始まった「昴の会」で三十八年間、

私は文学ファンとしての一路をひたすら辿って来た。

道中で出合った多くの作家、

読み書きの苦楽を共にした戦友達との交流の記憶は私にとって掛け替えのない財産だ。

今も会は健在だ。 新しい書き手が増え、

会員は老若男女取り混ぜて二十五名。 二号で中断していた同人誌は二十年ぶりの奇跡的な復刊を果たした。

それから七年、年刊は順調で、

最新刊の十号には全員の作品が勢ぞろいした。 お蔭さまで読者の好評を受けている。

さて、創立当時からの古株はもはや私だけ。 若木の新芽や実生が勢い良く成長していく姿を見守りながら、

その活力に生かされている。

八十二の年輪はあと幾つ増えるのやら。 未完の小説を書き上げるまで、

文芸の神様どうか御加護を…と祈るばかりの年頭である。



◇2014/3/5「追憶」の「アニーホール」  文=ひよし
『管理者権限日記』
自分だけが気がついている、という思いは格別なものですね。
私がそういう病気に罹っているだけなのかもしれませんが、
「おれは知っている」と、周りを見渡しながら、ひとりほくそ笑む快感はなにものにも代えがたいものです。
たとえばこの間、「追憶」という映画を観ました。
ずっと昔の、古い古い映画ですが、
ついに機会を得て、鑑賞に至りました。
ロバート・レッドフォードとバーバラ・ストライザンドの、長きに渡る恋愛バトル物なんですが、これが滅法面白い!
監督のシドニーポラックの演出が過不足なく、まとまりがあり、サービス精神も満点で、ケチのつけようのない作品なんです。
飽き性の私が前のめりになってじっと見入りました。
ところが途中から、あれ?っとひっかかることが起きまして、とうとう考え込むことになりました。
……どこかで観たことがある。
もしや……、
「ああ、ウッディアレンの「アニーホール」だ!」
そっくりなんです。

いったんそう思って、おさらいしてみると、ことごとくが一致する。
「アニーホール」もなかなか古い映画ですから、どっちが先行かは判然としない。
ですが、「追憶」が「「アニーホール」を真似ることは考えにくい。
「アニーホール」は大ヒットした恋愛コメディですから、それをわざわざ本格派のシドニー監督がなぞることはあり得ないでしょう。
だとすると「アニーホール」が「追憶」のエッセンスを取り入れた、そう考えるほうが腑に落ちる。
ブルジョアジーな世界に足を踏み入れた二人のテニスウェア姿。
ハリウッドよりはずっとマシな街として描かれるマンハッタン。
失望と軽蔑によって暴露されるショービジネスの裏側。
主義主張を戦わせる大人たち。
家庭より自己を優先するたくましい女性像。
生き方を譲れない二人の末路。
アンハッピーエンド。
……調べると、「追憶」のほうが四年も先に公開されています。
間違いないでしょう。
ウッディアレンの大名作「アニーホール」は「追憶」を下敷きに創られました。
でも問題はそこじゃない。それにみんなが気づいていたかどうか?なんです。
早速ネットで「「追憶」 「アニーホール」 そっくり」と検索してみると、 ヒットゼロ!!
ここで私はほくそ笑むわけです。
「おれしか気づいてない!」と。
ウッディアレンにもし会えたら是非訊いてみたい。
「あなたは「追憶」にインスパイアされましたか?」と。
きっと微笑みながらアレンは頷くでしょう。
なぜならそのおかげで世界中の映画人がこぞって模倣することになった、傑作コメディが誕生したのです。もはやとるに足らない小さな問題です。
私は更にほくそ笑みます。
「おれは気がついたぜ、ウッディよ。おれは騙せないぜ。そういうことには人一倍敏感な性質なんだ。絶対に気がつくんだ。わははははは」と。
あーー訊いてみたい!!


昔やっていたブログはこちら。